診療・各部門
患者さんが医療機関や療養型施設、在宅医療の様々な医療サービスに関連し原疾患とは別に感染症になること、また医療従事者が医療機関内において感染症になる事を「医療関連感染」と言います。
その発生要因は様々ですが、一度発生した場合、その影響はきわめて大きいものと考えられます。医療感染感染が発生すると患者さんは原疾患に加え、余分な感染症による多大な苦痛を背負うことになるばかりでなく、原疾患にも悪影響をもたらすこととなります。さらに、一度感染が発生すると入院日数も長くなり、医療費が増加することにもなります。医療関連感染は医療全体の問題まで発展しうる非常に大きな問題であることを認識し、その発生を未然に予防する事と発生した感染症を厳重かつ迅速に制圧することが求められております。
当院では平成17年に病院感染の予防対策や診断・治療法に関する適切な情報提供やアドバイスを行っていく部門として感染対策チーム(ICT)を設置し活動を行ってきました。感染制御部はさらなる活動の充実を図るため、平成22年5月病院長直属の部門として開設されました。さらに、平成30年に薬剤耐性菌対策として抗菌薬の使用を適切に管理・支援するために抗菌薬適正使用支援チーム(AST)が発足されました。特徴として、実働部隊としてのICT/ASTと院内各部署での感染対策を行う感染リンクスタッフ会を組織していることで院内くまなく、きめ細やかな感染対策活動を行っています。
主な業務
(1)コンサルテーション
- マニュアル、ガイドラインの作成・改訂
- 現場での感染対策に関する相談・助言・指導(ラウンド)
- 感染防止に関する教育・啓発
- 各部門や地域との連携・協力
(2)サーベイランス
- 病院感染の現状や発生を迅速かつ継続的に把握
- 細菌検出状況の把握
(3)インターベンション
- 感染予防に関する教育的介入・設備備品的介入
- 薬剤感受性成績に基づき、適正な抗菌薬の選択や投与法の助言
(4)地域医療連携の強化
- 他施設との情報提供・地域連携
- 広報誌の発行
感染対策チーム:ICT(Infection Control Team)/抗菌薬適正使用支援
チーム:AST(Antimicrobial Stewardship Team)
ICT/ASTは医師2名(うち1名ICD)、感染管理認定特定看護師(ICN)1名、臨床検査技師1名、薬剤師1名、看護師1名、事務職員2名の計8名のスタッフで、実働部隊として活動しています。
感染リンクスタッフ会
感染リンクスタッフ会は診療部、医療技術部門、看護部、および介護老人保健施設といった院内各部署から選出されたスタッフが、各所属における感染予防対策に関する実践、認識の共有と共通化をはかり啓発活動を行い、感染予防対策への関心を高めることを目標として、感染制御部、ICTと協力して活動しています。