診療・各部門
●リハビリテーション部
当リハビリテーション部では、患者さんの個々の状態に対応できるよう理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を配置し、各療法士が身体や動きの状態を専門的に評価することで、病気や事故、ケガの回復を促す最適なリハビリテーションを提供します。
加えて、個々の生活環境や社会的背景を踏まえ、患者さんを中心に多職種(医師・各療法士・看護師・ソーシャルワーカーなど)が連携を取り合い、チームとして、患者さんのいきがいある社会生活・日常生活への復帰を支援します。
また、退院に当たって準備期間が必要な患者さんのためには、地域包括ケア病棟を備えており、安心して退院していただけるよう支援をしています。
~在宅での生活を支援するために~
必要に応じて、多職種(医師・各療法士・看護師・ソーシャルワーカー・ケアマネージャーなど)による、退院に向けてのカンファレンスを開催し、家族様や地域の医療・介護スタッフに情報提供を行い、退院後の生活や介護保険サービス開始がスムーズに行えるよう支援します
また、後遺症を残し在宅で生活を送られる方も中にはおられます。そのような方に対して、患者さんの自宅へ伺い環境調整や動作指導を行う退院前訪問を実施しています。
○リハビリテーションスタッフ
理学療法士 : 15名
作業療法 : 6名
言語聴覚士 : 2名
リハビリ助手: 3名
○施設基準
脳血管疾患等リハビリテーション (Ⅰ)
運動器リハビリテーション (Ⅰ)
呼吸器リハビリテーション (Ⅰ)
心大血管疾患リハビリテーション (Ⅰ)
廃用症候群リハビリテーション (Ⅰ)
○専門資格
基礎理学療法専門理学療法士(ICLS) 1名
脳卒中認定理学療法士(ICLS) 1名
呼吸認定理学療法士(ICLS) 1名
運動器認定理学療法士(ICLS) 2名
3学会合同呼吸療法認定士(ICLS) 3名
福祉住環境コーディネーター2級(ICLS) 7名
ICLSインストラクター(日本救急医学会認定) 1名
臨床実習指導者講習会修了者(ICLS) 12名
がんリハ研修終了者(ICLS) 8名
腎リハ研修終了者(ICLS) 2名
骨粗鬆症マネージャー(ICLS) 5名
○脳血管疾患等リハビリテーション
脳卒中(脳梗塞・脳出血など)やパーキンソン病関連疾患などの患者さんに対して行うリハビリです。
●立てる・歩けるを目指して
循環状態や神経症状の変化に注意しながら、寝たきり状態による合併症(体力低下・拘縮など)を防ぐために、できるだけ早期にリハビリを開始し、起き上がって過ごす練習を進めます。
身体の評価と動きの分析から最適なリハビリを提供し、ベッドから起き上がり・椅子に座る・立ち上がる・歩くなど生活を送るうえでの基本的な動作の回復を支援します。また、その回復予測に合わせて、住宅環境の調整や福祉用具・装具使用の提案をしていきます。(理学療法)
●食事やトイレなど日常生活で欠かせない動作
食事・トイレ・家事動作など座る・立つ・歩く、などの基本的動作に作業活動が加わったものを指します。在宅環境や生活スタイルにより求められる動作は患者さんによって様々です。それぞれの患者さんに合わせ、必要な動作の獲得に向け身体機能練習・模擬練習・環境調整を支援します。必要に応じて調理練習・買い物練習など在宅生活を想定しての実践練習も行います。(作業療法)
●話せる・食べられるを目指して
話す、食べる。誰でもごく自然に行っていることが、病気や事故、加齢に伴い以前のように行えなくなる事があります。必要に応じて検査・評価・練習を行い、段階を踏みながら機能の再獲得を目指します。(言語聴覚療法)
○運動器リハビリテーション
事故やケガ、膝・股・肩関節の人工関節置換術を受けられた患者さんなどに対して行うリハビリです。
●骨折など下肢の障害、人工関節
寝たきり状態による合併症(体力低下・拘縮など)を防ぐために、できるだけ早期にリハビリを開始します。骨折の状態や手術の方法、患者さんの特徴(筋力や姿勢、動作パターンなど)に合わせて最適なリハビリを提供します。また、患者さんの生活環境に合わせた、動作練習と福祉用具の選定も行います。
件数の多い人工膝・股関節置換術後のリハビリでは、手術効果を最大限に引き出すために、早期から十分な時間をかけて行っています。(理学療法)
●肩疾患など上肢の障害
肩を含めた手(上肢)は、日常生活において非常に使用頻度が高く、足と異なり動きが細やかです。手術件数の多い肩腱板断裂・脱臼・人工肩関節置換術後に対するリハビリでは、より疾患に対する専門的な知識や技術が必要であり、安静度に合わせて、装具調整・リラクゼーション・関節可動域練習・筋力維持増強練習・自主トレーニング指導などを丁寧に行っています。また、手指・手関節の機能低下が認められる場合は、物品を使用しながらの機能練習や装具の作成、福祉用具の選定も行います。(作業療法)
○呼吸器リハビリテーション
肺炎や慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎などの患者さんに行うリハビリです。
●いきいきした生活の再構築を目指して
呼吸・循環状態の変化に注意しながら、寝たきり状態によって生じる体力低下を防ぐために、できるだけ早期にリハビリを開始し、起き上がって過ごす練習や、車椅子へ乗り移る練習を行います。呼吸苦が楽になるように、深呼吸練習や呼吸リズムに合わせた動作練習を行い、また入院前の活動レベルの再獲得を目指して、筋力強化練習や持久力強化練習も行います。
週一回開催される多職種カンファレンスでは、退院にむけて情報共有と目標の統一を行っています。(理学療法)
●息苦しさの少ない日常生活を送るために
着替え・入浴など日常生活で欠かせない動作や家事・買い物など家庭生活を支える動作に対して呼吸苦を起こさず楽に行えるよう、動作方法の練習、住宅環境調整のアドバイスを行います。
呼吸状態・脈拍などの変化をチェックしながら、日常生活を評価し、どの部分の動作が負担になっているか、患者さんと一緒に確認します。負担になっている動作がある場合、手順の工夫や環境調整などを行っていきます。(作業療法)
○心大血管疾患リハビリテーション
心筋梗塞や心不全など心臓疾患の患者さんに対して行うリハビリです。
●いきいきした生活を目指して
循環・呼吸状態の変化に注意しながら、起きる・立つ・歩くなどの基本的な動作の練習から自転車エルゴメーターでの有酸素運動など(理学療法)、掃除・洗濯・炊事やトイレ・入浴動作など(作業療法)を患者さんの状態に合わせて行います。
安心・安全な生活にむけて、多職種(医師・各療法士・看護師・栄養士など)で連携して個々の生活環境や社会的背景を踏まえた支援をしています。
週一回開催される多職種カンファレンスでは、各専門職の評価をもとに、退院に向けて情報共有と目標の統一を行います。
●安心・安全な生活を継続するために
外来でのリハビリは、運動習慣を身につける、体力の向上を図る、症状の進行や病気の再発を予防していくために行います。
そのためには、生活習慣を見直すこと、食事(栄養)のバランス、お薬の管理も大切です。また、季節ごとの対応や体調の異変に気づくことも大切です。
生活のなかで困っていること、不安なこと、今後の生活のことなど、患者さんの声に耳を傾け、生きがいのある生活を目指して多職種で支援をしています。
●心不全患者の生活行為パンフレット
心臓リハビリテーションは、心疾患の発症予防や再発防止を図り、患者のQOLや予後の改善を目的に、多面的・包括的に取り組むことが大切です。医療従事者の方々、また、心不全患者さんにお役立てていただきたく、滋賀医科大学医学部附属病院と共同で「心不全患者の生活行為パンフレット」を作成致しました。
「パンフレット活用上の留意点」をご確認の上、以下よりダウンロードしてご活用ください。
↓クリック
○がんリハビリテーション
がんの手術を受けられる方や定期的に化学療法を受けられる患者さんに行うリハビリです
●当院には、医師・看護師・リハビリスタッフ(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)で構成するがんリハチームがあり、がんリハビリテーションの施設基準を取得しています。
治療(手術や化学療法)を受ける患者さんや緩和目的の患者さんは入院早期よりがんのリハビリテーションを受けていただく事ができます。
よりよい状態で退院していただけるよう心がけています。
そのためがんリハチームは週1回カンファレンスを行い多職種で情報を共有し、患者さんにあった治療の提供に努めています。
また緩和ケアチームとも連携をとり、患者さんに寄り添った医療の提供を目指しています。
(理学療法)(作業療法)(言語聴覚療法)
○地域包括ケア病棟でのリハビリテーション
●チームケアによる退院支援
当病棟では各療法士によるリハビリに加えて、看護師や介護福祉士と共に、患者さんの入院中の生活動作を通して自立を支援します。例えば、歩行・立ち上がり・ベッド上動作・食事動作・排泄動作など実際の生活場面において、各患者さんの「できない動作」に適度な支援を行い、「できる動作」を増やしていただけるようチームで取り組んでいます。(理学療法)(作業療法)(言語聴覚療法)